1997年12月の通貨危機からIMF体制になって1年半、韓国のサラリーマンもいろいろな経験をすることになりました。高金利預金ブーム(1998年)や株式投資ブーム(1999年)は、庶民にも「一攫千金」のチャンスを与えることになりましたが、しかし、儲かったのは一部のお金持ちだけだったようです。この間にリストラで職場を失ったサラリーマンもたくさんいました。 | ![]() |
数年前では、財閥系企業のサラリーマンや金融機関の職員にとって、失業という言葉は他人事でしたが、ここ1〜2年は我が身のこととなりました。また、所得の減った人も多く、統計庁によると97年都市勤労者世帯月平均所得は206万ウォン(約20万6千円)だったのに対し、IMF体制の98年には8.2%も減少し、189万ウォン(約18万9千円)になったとのことです。 |
構造調整も一段落し、韓国経済回復を示す指標が増えてきた昨今、企業のスリム化が進み、韓国の従来の企業文化も、相当変化してきてるようです。ある財閥グループで職員を対象に「なくなって欲しい企業文化」をアンケートしたところ、1位は「上司の強圧的軍隊調命令文化」、2位は「浪費文化」、3位は「残業美徳主義」で、「慣習依存文化」、「お酒強制の会食文化」などもありました。年功序列制も徐々に崩壊し、年俸制も増え、上司だからといって安閑としていられない時代になってきたようです。 | ![]() 韓国の居酒屋に並ぶ一般的なお酒 |
韓国の会社では、月に2回程度社員同士で会食をしますが、驚いたことに社内の会食も経費で賄われています。しかし、IMF体制以降、経費削減により、会食の回数は減り、質も低下してきているようです。会食は、ふつう2〜3次会まで行われ、1次会は食事で、焼き肉屋さんでのケースが多いようです。2次会は、主に「ビアホール」で生ビールを飲んで、3次会はカラオケなどに行きます。 |
![]() 左手を右手のひじにそえる 韓国式お酒の受け方 |
韓国のサラリーマンのお酒の飲み方は、とにかく豪快です。飲むときは徹底的に飲むという感じですから、韓国駐在の外国人にとって韓国の方との酒席は苦手な人も多いようです。ウィスキーは、ストレートで飲むのが一般的で、お酒の継ぎ足しは厳禁です。西部劇映画でジョン・ウェインがぐいとやっているようなショットグラスにウィスキーを注ぎ、一気に飲み干すことを繰り返します。時がたつほどに声高になり、夜も更けていくほどにボルテージは上がるばかりです。酒の種類には“爆弾酒"と称するものもあります。これは、ビールコップ一杯にさかずき一杯のウィスキーを混ぜて飲むもので、酔いの回りがすさまじいのと、翌日のひどい二日酔いが特徴です。 どこの国でもサラリーマンは酒で疲れを癒し、明日の活力としているようです。でも、何事も過ぎたるは……、ホドホドがいいのでしょう。 |
|
![]() 韓国の代表的なお酒マッコリで乾杯 |