1.足マッサージについて

 「人の健康は、足の裏にあり」と言われるほど、足の裏には人体内部に反応するたくさんのツボがあります。古代中国に生まれ、今に伝わる足マッサージが、2年ほど前から次第に大連でも拡がりを見せ、今ではその数は50軒近くにのぼります。

 日本でも健康ブームの追い風にのり、OLやサラリーマンの間で、多種多様なフットケアがもてはやされているようですが、値段が高く、手軽に利用するといった感じではありません。 それに比べ、大連で目にする足マッサージ屋は、設備や環境はともかくとして、安い値段で心地良さを確保することができるのです。目安としては平均1時間、 昼は30元(約450円)、 夜は40元(約600円)程度です。



2.足マッサージのやり方

 まず、用意された28種類の漢方薬を配合した熱めの薬湯に両足を浸すこと約20分。日本人客に対しては、演歌のバックミュージックがながれてくることもあるそうです。その後、熱さのため赤みを帯びた両足に保温のためビニール袋がかけられ、マッサージ用ベッドへ案内されます。そこで仰向けになり、ビニール袋がとられ、片足ずつ念入りに足マッサージが行われます。マッサージ師は、客が退屈しないようにテレビをつけるなどのサービスをしながら、足裏のツボをつま先から順々に刺激していきます。
 気持ちよく、思わず眠ってしまいそうになっていると、突如、表現しがたい苦痛におそわれます。そこでマッサージ師は、得意気に壁に掲げてある「足裏ツボ図」を指差しながら、腰が悪いだの、消化不良だのといった症状を指摘するのです。また、この殺し文句を付け加えることも絶対に忘れません。「私の足マッサージを継続して受ければ必ず良くなる。」と……。


痛いところが悪いところとか...



中国四千年の知恵「足裏ツボ図」
 
 約40分間、両足のつま先からかかと膝下あたりまで万遍なくマッサージがいきわたると、仕上げに血行をよくするために、お湯を飲んですべて終了となります。
 激痛に耐え、泣き笑いの連続であった足マッサージも終わってみると、不思議と足が軽くなっており、その晩は驚くほどよく眠れます。



3.足マッサージ専門学校

 さて、このような足マッサージ屋を開業したり、もしくは従業員として働くに際して、昨年9月より遼寧省労働局の就業許可が必要となりました。
それに合わせて、就業許可を得る手段として、昨年11月に登場したのが足マッサージ専門学校の「大連足部按摩学校」です。この学校で、足マッサージの理論と技術の専門講座を約200時間受講し、検定試験に合格すれば、労働局認定の「遼寧省就業訓練卒業証書」ならびに技術水準を示す「技術等級証書」が付与され、晴れて足マッサージ師となれるのです。


店内に掲げられた
足マッサージ学校卒業証書
当校は、既に54名の卒業生を活躍の第一線へ送り出し、現在も2名の教師のもとで、17名の生徒が日夜努力しています。そして、ブームにのってか足マッサージ師を夢見る入学志願者が後を絶たないそうです
 あるマッサージ屋の店主の話では、最近の傾向として仕事疲れやストレスが溜まっているなどの理由で来店する人が増えてきているようです。また、あまりの痛さに、当分の間足マッサージは遠慮するといって帰って行った人も、しばらくするとまた刺激を求めて店の門をくぐっているとか……。
 このようにして、人々が足マッサージの魅力にとりつかれていく限り、このブームも当分続きそうな気配です。

アジア各地の足マッサージ情報
  人気マッサージ店 料 金
大 連 手足情足 1時間/30元(約450円)
上 海 新虹橋倶楽部康楽部 30分/88元(約1,300円)
香 港 足 保 険 30分/270香港ドル(約4,200円)
ソウル P&C足健康管理ショップ 40分/20,000ウォン(約2,000円)
バンコク 有馬温泉 50分/280バーツ(約900円)
福 岡 A 店 45分/3,500円
※現地日本人に有名な店。サービス内容は全く同じではありません。

■ BACK ■